Improvised Music from Japan

梅田哲也 CD『ocket』 ライナー・ノート

文:梅田哲也

  1. 殻 (shapes)
    コンクリートを転がる大小さまざまな形状の瓶
    手前は、粉になった瓶の破片をウーファーでぐつぐつやってます
    隣りをジェットコースターが通過していきます
    2004年4月の録音です

  2. ねきり
    ハウリングを起こし回転するスピーカーにステンレスの球を近づけてみました
    周囲のノイズに対して録りが小さく短いのですが
    良く鳴っているので収録しました
    2003年11月の録音です

  3. rotation
    連続したフィードバックに、時間をおきながら少しずつ手を加えました
    回るスピーカーの他にアルミ箔で作ったツィーターも使用しています
    切り取った3つめは、当時のっていた自転車とのセッション
    2003年11月の録音です

  4. カエル池 (8 frogs)
    8つのスピーカーとフィルターを使用したアンサンブル
    音の運動をミキサーやスイッチに頼ったという意味で
    他よりも作曲を強く感じとれるトラックだと思います
    作曲と言っても "空間における立体の配置" のようなことです
    2003年11月の録音です

  5. across a bridge
    ブリッヂというスペースは過疎化する遊園地の中にあり
    ときおりジェットコースターが通過すると、大きく振動します
    缶やバネで作った筒を、ひとつ転がし、もうひとつをゴムで叩きました
    スピーカーフィードバックを使用していない唯一のトラック
    2004年10月の録音です


  6. 空フォンというツールの最初のモデルを使用してます
    ジャングルのCDを再生して、フィルターを通したフィードバックをミックスしていきました
    唯一、音源を使用したトラックでもあります
    なぜこんな音が鳴ったのでしょうか、未だにわかりません
    2003年11月の録音です

  7. ゾウ (electricphant)
    写真家の直江くんが演奏風景を撮ってくれたときの音
    発音にワイヤレスマイクとFM電波を使用してます
    フィルムケースを落とす音や、シャッターを切る音も聴こえます
    2004年4月の録音です

  8. ar cut
    扇風機を改造した、縦に回転しながら首を振るスピーカー
    ハウリングを起こして放っておくと多彩で面白い効果が出ます
    タイトルは "空気を切るような音" から
    2004年4月の録音です

  9. on と off (on, off)
    ゴムとアクリル樹脂を施した2つのウーファーを縦にならべた状態で
    マイクのスイッチを on, off する簡易インスタレーション作品
    2004年10月の録音です