Improvised Music from Japan / Kazuo Imai / Information in Japanese

CD ライナーノーツ
Marginal Consort: Collective Improvisation

今井和雄

即興演奏は演奏者のイメージを即実現するプリミティブだが率直な表現方法だ。しかし、ソロのパフォーマンスでは極めて個人的な作業となる為に、自由な演奏が一つの完結した作品(作曲)の様に成立してしまう。時と場を共有することが前提の集団即興では複数の即興が同時に進行する形で行われ、各々の音がずれ、重なり、反発し合いながら様々な偶然を生み出し、個人では作ることの出来ない音の相を形作る。我々の集団即興は、多くの即興音楽の様に反応する、しないを繰り返すことによって作られるのではなく、参加者はその中で現れては消えて行く音響の一部 (part) として存在し、その総体として、音響 (sound) によるオブジェ (object) を形成する。このディスクには4時間に亘った演奏の一部が納められている。本来はその場で共に体験する事が望ましい形だが、ひとつの記録として聴いて頂ければと思う。